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クラブアルプの医療相談を担当する、6名の獣医師によるコラムです。動物医療の日常など、現場の様子をお伝えします。 |
腎臓の機能ときいてどんなものをイメージされますか?
腎臓といえばおしっこをつくるという機能しかご存知ない方がほとんどだと思います。
今回はそんな腎臓の機能についてのお話です。
腎臓の機能には大きなものとして以下の3つがあげられます。
- 泌尿器としての機能
腎臓の機能として一番重要なものがこれです。
血液中の老廃物や水分、ミネラルなどをろ過して、尿を生成します。
腎機能は低下すると血液をろ過する能力が低下するため、うすい尿がたくさんでるようになります。
- 造血器としての機能
腎臓は赤血球をつくるのに必要なホルモンを分泌しています。
赤血球の作られるところは骨髄ですが、このホルモンがないと赤血球をつくることはできません。
そのため腎機能が低下すると赤血球の数が減ってくるために、貧血を起こします。
- 循環器としての機能
さらに腎臓は血圧を調節する機能をもち、これには二つの機能が関わってきます。
血液中のナトリウムを尿にて排出することと、腎臓から酵素を産生することで血圧の調整を行います。
腎臓の機能が低下すると血圧が上昇し、その影響で腎臓の血管が高血圧になると腎臓がさらに悪くなるため、悪循環がおこります。
このように腎臓の機能にはいろいろとあります。
ということは腎臓の機能が低下してしまうと、全身に様々な影響をあたえてしまうということです。
最初に腎機能の異常に気づいてあげられるのはオーナー様です。
おしっこは常にチェックして、量が増えているとか色が薄いなど気になるようであれば動物病院にて検査を受けてみてくださいね。
| 2008.4.14 |
ワンちゃんと飲み水(獣医師:M・O) |
最近ではワンちゃん用のお水が市販されていたり、ミネラルウォーターや、湯冷ましなどを与えられる飼主様も多くいらっしゃいます。相談を受けることもしばしばですが、いつもお答えするのは基本水道水そのままで十分だということです。ワンちゃんはお水が大好きですから、どういった種類の水でも喜んで飲んでくれる子がほとんどだと思います。どのような種類の水をあげるのかについては、全く飼主様の好みによりますが、数点のご注意があります。ミネラルウォータはミネラル分が結石などの原因になることが懸念されますのでそれのみの多給は要注意です。また、湯冷ましはカルキがとんでしまいますのであまり日持ちしません。そういったことを総合的に考えると清潔な容器で新鮮な水道水をいつでも好きなだけ飲めるようにしておいていただくのが最も手軽で安心ではないでしょうか。
次に水分摂取量の目安についてもお話します。飲水量は体調チェックのひとつの目安にもなります。
簡単な方法は体重1kgあたり90mLの飲水量が上限の目安です。それよりも多い場合、飲水量が最近増えたな、とお感じの場合は、代謝性やホルモン疾患がないかどうかかかりつけの動物病院でチェックをうけられるとよいでしょう。
詳細な方法としては、フードからの水分を計算にいれる方法もあります。
ドライフードの水分は10%以下ですが、缶詰フードの水分は75%以上です。
缶詰フードを食べているということは水分も一緒にとっているということですので、それを計算にいれますと、ワンちゃんがが1日に必要なおおまかな水分量は「132cc × 体重 Kg の 0.75 乗」で計算できます。この計算式によると、体重500gで約80cc、体重1kgで約132cc、体重2kgで約220cc、というのが大体の目安となります。また、塩分の濃い食物を摂取すると、人間と同じように、飲水量も増えますので特に人間の食べものなどは極力与えないようにご注意ください。
| 2008.4.14 |
あらためて、フィラリア症(獣医師:M・O) |
今年もワンちゃんのフィラリア予防は順調ですか?
涼しくなってくると忘れがちになってしまいますが、蚊は気温が15度以上あると吸血するといわれていますので、お住まいの地域によっても違いますが、蚊がみられなくなってから1ヵ月後までは予防薬の投与をしっかりと行ってあげてくださいね。
さて、このフィラリア症ですが、予防の1つの目的としてヒトへの感染をふせぐというものもあります。感染例は少なく、国内での報告はいままで100例程度とのことですが、れっきとした人獣共通感染症です。 フィラリア陽性犬の血を吸った蚊(日本では約16種類くらいいますが、代表的なものは、一般にやぶ蚊とよばれるヒトスジシマカ住宅地に多いアカイエカ、他にチカイエカ など)がヒトの血を吸うことにより、ヒトも感染します。ヒトではリンパに寄生するためにむくみや皮膚ががさがさになる象皮症という症状が出ます。西郷隆盛が感染していたことでも知られています。
他には猫やフェレット、その他ウサギ科やネズミ科など十数科の動物に感染することが報告されています。犬のフィラリアを予防を徹底し、感染源を絶つことがヒトを含め他の動物への感染をなくすことにもなるのです。
血尿が出て、様子がおかしい、予防をしていなかったというワンちゃんが超音波検査の結果心臓にフィラリア虫体がたくさんいて、いつ心臓の弁に詰まって突然死してもおかしくない状況になってしまっていました。これは緊急事態なので、麻酔をかけて心臓の虫を取り出すということを行いました。無事虫は取り出され、処置後のワンちゃんの様子も安定していましたが、虫がいたことによる心臓のダメージはやはり残っています。普通の生活は出来ません。飼主様も取り出された虫をみてびっくり。予防を怠っていたことをとても後悔されていました。
1年予防を怠ってしまうと20〜30%の確率で感染してしまうと言われています。これだけ予防が普及している今日でもまだまだ陽性のワンちゃんは残念ながらいますので、予防はしっかりと行ってあげてくださいね。
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