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ワンちゃん、ネコちゃんの診察をしていると「太りすぎですか?」とか「痩せすぎですか?」と質問されることが良くあります。
意外とわかりにくい動物の理想体型、今回はこの理想の体型についてのお話です。
一般に動物の体型はBCS(ボディコンデションスコア)というものによって1〜5段階で評価されます。
1が痩せすぎ、2が体重不足、3が理想体型、4が体重過剰、5が肥満というような評価です。
3の理想体型とは
- 肋骨がわずかに脂肪に覆われていて触ることができる。
- 腰はやや厚みがあり、薄い皮下脂肪の上から骨を触ることができる。
- 腰のくびれが適度にある。
というようになっています。
これよりも痩せ気味であるのであれば1や2、肥満気味であるのであれば4や5というわけです。
1や2の場合は食餌の質や量や回数をみなおしてもらったり、それでも改善なければ病的なことも考えられます。
また4や5の場合も食餌の質や量や回数をみなおしたり、運動量を増やすことで理想体型になることができます。
なかなかオーナー様自身では評価できないこともあるので、体型は定期的に動物病院でチェックしてもらいましょう。
最近はBCSが一目でわかる体脂肪を計測できる動物用の体脂肪計も普及してきてるので、そういったもので評価してもらってもよいかもしれませんね。
動物病院で一般的に行われている処置の一つに麻酔があります。
オーナーさんによっては麻酔という言葉を聞くだけで、かなり不安に思われる方もいらっしゃいますが、きちんとした手順で行えば非常に安全です。
今回はこんな麻酔についてのお話です。
麻酔の種類
大きく分けて麻酔には局所麻酔と全身麻酔に分けられます。
局所麻酔
人でも歯科などで使われている麻酔です。ちいさな皮膚の腫瘍や、創傷の処置、検査のために組織を採るときなどに使います。
また局所ブロックや硬膜外など特殊な局所麻酔を行えば大きな手術にも行えます。
全身麻酔とくらべて安全にそうに思えますが、体質によってはアナフィラキシーによるショックを起こし命にかかわる可能性もあります。
全身麻酔
注射によるものやガスによるものがありますが、一般的には両者を併用します。
動物が不動化し手術や処置をおこなうために使用しますが、やはり同時に生命の維持に必要な心臓や呼吸器に抑制的に作用してしまうものもあります。
心臓や呼吸器の状態をモニターしながら麻酔を調節します。
それに何か異常が出た場合は麻酔を切ったり、拮抗する薬や、心臓、呼吸器の機能を高める薬などを使用することで麻酔事故を防ぎます。
きちんとした手順で、安全な麻酔を使用して、きちんとモニターをしていても体質によってはショックをおこし、迅速に対処をできなかった場合亡くなってしまう動物がいるのも事実です。
ただし、その確率はワクチンのアレルギー反応よりもかなり低いですので、麻酔の危険性のデメリットよりも、麻酔をかけて処置や手術を行うほうのメリットを選んでいただいたほうがよいでしょう。
麻酔をかける際に不安や疑問があれば、それらが解消されるまで気兼ねなく獣医師にたずねてみましょう。
| 2008.3.3 |
ワンちゃんの生理(獣医師:Y・A) |
ワンちゃんの一般に生理とよばれているものは、正確には発情前出血といいまして、排卵の前に薄い出血があるものです。外陰部よりうっすらと、量が多い時期にはぽたぽたと、うすい出血のような液が出ます。ヒトは排卵の後に出血が起こりますがワンちゃんは排卵の前に出血が起こります。
発情前出血は個体差がありますが、1〜3週間続きます。初回発情では量が全体的に少なく、場合によってはワンちゃんが自分で舐めてしまってお気づきにならない飼主様もいらっしゃるようです。出血がピークを超えた時期がまさに排卵の時期ですので、発情期が終わったと勘違いされないように気をつけてあげてください。出血や尿中のフェロモンで雄犬の交配行動を誘発しますので、他のワンちゃんとの接触がある場所では気をつけてあげましょう。
この時期に頻尿になったり、皮膚をかゆがったり、食欲低下がみられたりする子もいます。場合によっては興奮しやすくなり、言う事を聞かなくなったり、逃走しようとすることもあるので気をつけてあげてください。
他には出血が正常な発情によるものなのか、それ以外の子宮卵巣疾患によるものなのかということがあります。ただし幼齢のワンちゃんでは子宮卵巣疾患などはほとんど可能性は低いです。ワンちゃんの外陰部周辺が汚れてしまうのでこまめなシャンプーなどで清潔にしていただくとよいですね。屋内が汚れてしまうことの対策としてはおむつなどがありますが、使用される場合はこまめにとりかえて、蒸れや尿なども気をつけてあげてください。また、場合によっては膀胱炎で頻尿になっている場合もありますので、頻尿や元気食欲などが低下しているようであれば獣医師の診察および尿検査などをおうけになるとよいでしょう。
排卵期が近づくと外陰部は充血し腫れたように見えます。
『尾の旗振り』 あるいは『フラッキング』 と呼ばれる行動をする子もいます。
オスが陰部のニオイをかいだり尻尾の付け根を軽く叩いたり、時にはオスが近づいただけで尻尾を横に倒し、四肢を踏ん張るように立ち、同時に腰をそらせて陰部を上げるような仕草がそれで、この行動をするようになったら本格的な発情に入り、妊娠の準備が整ったというポイントになります。
受胎が成立しなかった後は発情後期という時期にはいりますが、それは平均で60日前後、時には100日以上にも及ぶことがあります。ワンちゃんの特徴としては黄体が妊娠しなかった場合でも長期間に渡って機能を維持しますので、発情後期が長くなり、妊娠していないのに、まるで妊娠したかのような状態になる『偽妊娠(ぎにんしん)』と言われる状態になるワンちゃんも多く見られます。
この偽妊娠は、交尾はしたけれども妊娠しなかった場合の他、交尾をしなかった場合にも起こり、一度も交尾を経験したことのないメスにも起こります。
症状としては実際の妊娠犬と同じように、発情が終わった後の一時的な食欲減退やつわり、乳房や腹部が膨らむなどがあり、中には出産間近の母犬がするような巣作り行動や陣痛のようないきみとその後の母乳の分泌、オモチャやぬいぐるみ相手の子育て行動まで見られることもあります。
症状の推移は実際の犬の妊娠・出産とほぼ同じプロセスを同じ日数でたどりますので、長い場合には、発情後2ヶ月近く偽妊娠の状態が続きます。(母乳の分泌が見られる場合は、さらに2週間ほど続きます)
以上が概略ですが、散歩やドックランなどは、この時期を通して外に連れ出してはいけないということではないのですが、望まない妊娠を避けるためには、受胎可能な時期には他のワンちゃんとの接触を避けていただくとよいですね。目安としては出血が始まってから1週間〜出血がピークを超えてから1週間くらいですが、個体差がありますので、余裕をもって時期をみていただいたほうがより安全ですね。
ニキビダニというダニをご存知でしょうか?
アカラス、毛包虫ともいわれ、ダニといっても肉眼では見つけることはできません。
今回はこのニキビダニについてのお話です。
仔犬のころにニキビダニを持っている母犬などから感染し、毛穴の中に寄生します。
少数に寄生されるだけであれは何も症状はでませんが、免疫力の低下など何らかの理由でニキビダニが大量に増えてしまった場合、その部分が脱毛します。
通常、痒みはありませんが、細菌が二次感染してしまった場合はひどい炎症も伴い痒みもひどくなります。
顔の口唇や目のまわり、四肢の先端などによく発生します。
脱毛してるあたりの皮膚を削り、顕微鏡でニキビダニを確認することで診断がつきますが、感染数は少ない場合はなかなかニキビダニが発見されず、何度か検査が必要となることもあります。
仔犬が局所的に症状が出ている場合は自然治癒してしまうこともありますが、全身に出ている場合や成犬、老犬の場合には治療が必要となります。
治療には殺ダニ剤での薬浴、塗布や注射、内服薬などを使用します。
また免疫力を低下させている基礎疾患などの治療も必要となるでしょう。
通常ニキビダニの感染が原因で命に関わることは稀ですが、免疫力の低下している老犬などで全身の細菌二次感染がひどければ亡くなってしまうこともあったり、ひどいものでは治療を行っても完治はむずかしく何度も再発することもあります。
| 2008.2.18 |
ワンちゃんのシャンプー(獣医師:Y・A) |
高温多湿な夏場ワンちゃんは皮膚病になることが多々あります。
こういった皮膚病の予防、治療、早期発見には定期的なシャンプーをすることが効果的です。
今回はシャンプー方法についてのお話です。
いろいろの毛質、毛の長さのワンちゃんがいますが、基本はみな同じです。
以下シャンプーの方法です。
1. ブラッシング
シャンプー前にブラッシングをし、毛玉をとったり、皮膚の状態をチェックしましょう。
短毛腫ではほとんど必要ありませんが、長毛種であれば必須です。
2.体をぬらす
ブラッシングの後はワンちゃんの体温と同じ38〜39度のぬるま湯で体をぬらしていきます。
足先やお尻からシャワーをかけていき頭までぬらしますが、目や耳にお湯が入ることを嫌うので手でふさいだりして入らないように気をつけます。
毛の長さや皮脂の量によってぬれ具合も違ってくるので、十分に全身がぬれるまではシャワーをかけてください。
3.シャンプー
シャンプーをすこし薄め体を洗っていきます。体の正中にそって皮脂がでやすいのでその部分は念入りに泡立てがら洗います。
このとこ爪をたててしまうと皮膚を傷つけてしまいやすいですから、指の腹でマッサージすることを気をつけてください。
4.すすぎ
全身洗えたか確認し、再びぬるま湯ですすぎます。シャンプー剤がのこっているとそれが刺激になって皮膚病になることもあるので念入りにすすいてください。
また長毛種は乾かすときに毛玉になり易いので、このときにリンスを行います。
5.乾かし
すすぎがおわった後、水をすこしきって、バスタオルなどで体を拭きます。その後ドライヤーで乾かします。ドライヤーの大きな音でおびえたりするワンちゃんもいますので、最初は遠くからあて、徐々に近づけるようにしてください。
またこの時必要以上にドライヤーをあてるとヤケドをしたり、ドライスキンになってしますので、状態をみながら乾かしてください。
ただし、足の指の間に水気が残っていると、そこが蒸れて皮膚炎になりやすいので、足の指の間だけはよく乾かすことをお勧めします。
まとめ
ワンちゃんのシャンプーは汚れてしまったりした場合を除き、通常は月に1度でよいといわれています。
ただし、皮膚病だったり、皮脂がでやすい場合などはもっと頻繁にシャンプーすることも必要となります。
皮膚病は経過は早いですが、完治するのに時間がかかることが多いです。
シャンプー時に何か皮膚に異常を見つけた場合は早めに動物病院で診察を受けてください。
| 2008.2.18 |
歯が折れた!?(獣医師:M・O) |
ワンちゃんもヒトと同じように歯が折れてしまうことがあります。
元気いっぱいのワンちゃんでは、おおはしゃぎしたときにどこかに歯をぶつけた時、またおいしいひづめを元気よくかんだとき、または、固いおやつや骨をもらったとき、など、悲しい結果になってしまうことがあります。
折れる程度にもよりますが、ワンちゃんの場合、抜歯という処置になってしまうことが多いです。ヒトのようにかぶせたり、歯髄や神経を除去したりなどという処置はあまり一般的ではありません。そして、抜歯の際には全身麻酔も必要になります。
ワンちゃんの食べ方はほとんどまるのみに近いので、歯が数本なくても問題になることはありません。
ワンちゃんはおやつが大好きですが、固いおやつにはくれぐれも気をつけてください。
結構歯石予防と思ってよかれと、硬いガムやひづめ、骨などを与えている飼主様が多いですが、それらを食べることによって、歯がおれてしまったり、吐いたりなどの消化器症状がでたりすることが多いです。
先日たいそうとりみだされた飼主様がワンちゃんをだっこして病院に駆け込んできました。
ワンちゃんも飼主様もパニック状態。ちらっとみえたうわあごに折れた骨ががっちりはさまっていました。こうなってしまうと、ワンちゃんがいくらあばれてもがいても自分でとることはできません。無事骨をとってお帰りいただくことができましたが、一瞬の差でその大きな骨をのみこんでしまっていれば、更に胃切開という手術が待っていたでしょう。
歯石予防には歯ミガキや口腔内ジェル、歯石除去効果のあるドライフードなどを用いていただき、固いおやつにはくれぐれもご注意を。。。避けられるリスクはきちんと防いであげましょう。
動物と暮らしていると心配なのが緊急時の対応です。
現場で遭遇する緊急状態の最も多いものが落ちた、咬まれた、あるいは交通事故などの外傷です。次に多いものが消化器症状で、下痢嘔吐、異物、中毒の対応が必要になる場合もあります。
そのほかには、熱中症や持病の悪化、尿道に石がつまるなどが多くみられます。
また子宮蓄膿症なども命にかかわるような病態になることがあります。
落ちた、咬まれた、交通事故などはもちろんですが、他の事態にしても飼主様の少しの注意で防げるものがほとんどであります。
例えば、ちょっと目をはなした隙にテーブルに用意したおかずを食べてしまって、それが骨付きフライドチキンだった場合にはそのまま胃切開手術で約1週間の入院になります。
それでも治るからよいですが、手術となると麻酔のリスクも0ではありませんし、費用も負担が大きいですね。
ワンちゃんは特に誤食が多いです。おもちゃなど遊んでいるうちに飲み込んでしまったりなどが多いようですね。防ぐためにはいたずらできるものをワンちゃんの環境中から極力取り除くということと、目が行き届かない時間帯はサークルなどに入れて、万が一の間違いがないようにするなどの対応がよいですね。
そして大概状態が悪くなるのが病院が開いていない夜間や早朝です。しかしながら日中も何らかのサインを出し続けている場合がほとんどです。尿道に石がつまる場合などはしょっちゅう排尿ポーズをとっている、1回の排尿に時間がかかり、少量しか出ていないなど、それらをお見逃しないよう、よく観察なさってください。小さなサインを見逃さないようにすると大事にいたらないですみます。もう少し様子をみてみようか、という気持ちが悪化をまねいてしまいます。
もちろん避妊手術を済ませておけば、生殖器系の疾患のリスクはぐっと減ります。
また持病のある子はよくかかりつけの獣医師と相談をしてもし病院が休みの間状態がかわったらどのように対応してくれるのかを確認しておきましょう。
最悪かかりつけ医と連絡がつかないような場合も想定して、夜間でも診察をしている病院の場所、道順などをチェックしておきましょう。
| 2008.2.4 |
ペットからうつる病気(獣医師:M・O) |
かわいいワンちゃんや猫ちゃんとの生活楽しいですね。しかし、楽しい生活の維持の為には飼っている動物から人に感染する病気(人畜共通感染症といいます)を防ぐための注意が必要です。
ペットからの感染の増加の第一の理由は、人間とペットの距離が急激に縮まっていることです。第二の理由は、海外からの輸入動物が多くなっていることがあげられます。
犬や猫から感染する人畜共通感染症は主なもので約10数種類ありますが、今回はそのなかからいくつかご紹介します。
【狂犬病】
発症すると、ほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。日本では、昭和32年まで流行していました。感染したイヌに咬まれると、唾液中のウイルスが傷口から侵入し、その後神経を冒し、脳へと移動します。うつ症状や興奮、麻痺などがあらわれ、最後は死に至ります。日本では撲滅されましたが、清浄国はむしろ少なく、輸入動物が感染している可能性もあります。狂犬病ワクチン接種は必ずおこないましょう。
【エキノコックス症】
キタキツネが感染源の病気です。北海道の地方病ですが、全国的な広がりも懸念されるようになっています。エキノコックスは寄生虫で、イヌはエキノコックスが感染しているネズミを食べたときに感染します。更にはエキノコックスに感染したキツネやイヌの糞便から排出された虫の卵が、人間の口にはいると感染がおこります。感染すれば、幼虫が肝臓に入り込み肝臓を侵食して増殖し、腹痛や黄疸症状があらわれ肝不全を起こします。キタキツネからイヌへの感染、そしてイヌからヒトへの感染もおそれられています。
イヌがネズミを食べたり北海道でキタキツネや野犬と接触しないようにしないように注意しましょう。
【パスツレラ症】
ネコ以外にも、イヌやウサギから伝染する病気です。ネコではなんとほぼ100%、イヌは約70%がこの菌を保有しています。感染経路はふたつありますが、咬まれたり、ひっかかれたりする場合と、空気中の菌を吸って伝染する場合です。傷ができた場合は、傷口がひどく痛み、赤く腫れたりします。特に高齢の方など免疫機能の弱い方では感染しやすいので注意が必要です。
【Q熱】
「体がだるい」「ヤル気が起きない」などまるでうつ病のような症状で長期にわたる疲労感、不定愁訴、発熱などが見られます。原因は、ネコとの過剰な接触によるリケッチアの感染です。過度なスキンシップを避け、咬んだりひっかいたりしないようにしつけましょう。また、部屋の空気を清潔に保つことも効果的です。
【ネコひっかき病】
細菌が原因でネコにひっかかれたり、咬まれたりすると感染します。また、ノミからうつされることもあります。症状はリンパ節のはれや、発熱、ズキズキとした痛み。保菌しているネコにはほとんど症状がないので、注意が必要です。感染しやすいのは子どもで発症者の半数が15歳以下となっている。過剰な接触を避け、ネコに触れたら必ず手洗い、消毒をおこないましょう。ノミの駆除もしておくとよいですね。
以上のように感染予防のためにはペットの健康管理はもちろん、正しい知識と予防法を知ったうえでペットを飼うことが必要です。口移しにエサをやる、イヌやネコになめられるなどといった行為は、感染の危険を大きくしますので避けましょう。

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