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ペットお役立ち情報 コラム「どうぶつのお医者さん」

2007.6.1 膝蓋骨脱臼(獣医師:Y・A)

ワクチンなどを接種する時に健康状態をチェックしますが、その時に膝のお皿が外れやすいことを指摘されるワンちゃんが結構いて、オーナーさんには自覚がないのでビックリされる方もいます。
今回はそんな膝蓋骨(膝のお皿)の病気である膝蓋骨脱臼についてのお話です。

種類
膝蓋骨脱臼は外れる方向によって二種類に分けられます。
内側に膝蓋骨が外れる内方脱臼はてチワワ、トイプードル、ポメラニアン、ヨークシャテリアなどの小型犬が多く、外側に膝蓋骨が外れる外方脱臼は大型犬などに多いです。

原因
膝蓋骨脱臼の原因には先天的なものと後天的なものがあります。
先天的:膝関節の筋肉、靭帯、骨の形成不全が原因となります。多くはこの原因です。
後天的:落下や打撲などの外傷が原因となります。まれに栄養状態が悪いことでもなります。

グレード
膝蓋骨脱臼は状態によって4つのグレードに分けられます。

グレード1: 手で押すと膝蓋骨が外れるが、離すともどる。
グレード2: 手で押したり、膝を曲げると膝蓋骨が外れるが、足を伸ばすともどる。
グレード3: 常に膝蓋骨が外れた状態で、手で正しい位置に戻すこともできるが、またすぐ外れる。筋肉の萎縮、骨の変形などが重度に認められる。
グレード4: 常に膝蓋骨が外れた状態で、手で戻すことはできない。筋肉の萎縮、骨の変形は非常に重度で、歩けなくなることがある。

症状
グレード1、2の場合は無症状なことが多いですが、外れた膝蓋骨を自分で戻そうとして後足を伸ばしたりすることが見受けれます。
また頻繁な脱臼により痛みが出た場合は足を上げたり、びっこを引いたりします。
グレード3、4では逆に脱臼が日常化して、あまり痛がらなくなったりしますが、骨や筋肉が変形したり、あるけなくなったりします。

治療
根治するには外科手術しかありません。生後すぐに診断されれば、後肢の屈伸運動で筋肉をつけ、良化することもあります。
外科手術を行わない場合は痛みが出た時に鎮痛剤をつかったり、レーザー治療、鍼治療などによって保存療法を行います。
また運動制限や関節サプリメントなども必要となります。

このように膝蓋骨脱臼は意外と気付かれていないですが、頻繁に遭遇する病気です。
オーナーさんとしては今は無症状だから、手術費用が高額だからとなかなか外科手術にふみきれない方が多いようです。
しかし、程度によっては将来歩行困難になってしまったりするので、なるべく早めに外科手術を行ってあげることをお勧めします。

2007.6.1 パルボウイルス感染症(獣医師:M・O)

仔犬を迎え入れたご家庭では一度はお聞きになったことがあるかと思いますが、パルボウイルス感染症という病気は仔犬がかかりやすい代表的な伝染病で、重症の場合には生命にかかわることもある恐ろしい病気です。

どんな病気?
 強い消化器症状が主に出ます。激しい嘔吐、粘血状の下痢を主体に、元気食欲が無くなり、発熱や白血球の減少が起こります。脱水症状が起こり、手当てが遅れると生命にかかわる場合もあります。原因はパルボウイルスというウイルスですが、空気中で半年〜数年程度も生存しつづけることのできるなかなか手ごわい相手です。感染力はとても強く、発症した環境では入念な塩素消毒を行いますが、それでも1年間程度は注意が必要です。
 消化器症状のでる腸炎型が主ですが、心臓の筋肉に感染する心筋型もあり、その場合は症状の進行が早く、予後が厳しい場合が多くあります。

防ぐには?
 感染犬の糞便などからウイルスが飛散してそれを経口的に摂取することにより感染します。厳密には感染犬の糞便などに汚染された可能性のある食器、さらには感染した犬と接触した人間の手指、衣類などからもウイルスが伝播され感染が成立すると考えられています。
 混合ワクチンで予防できます。しかしワクチンによる免疫が十分にできる前などに感染してしまう場合もありますので、仔犬は特に注意が必要です。

かかってしまったら?
 確定診断は糞便検査により行います。過去のワクチン接種などでも陽性反応がでる場合がありますので、血液検査や臨床症状と合わせて診断します。ウイルスに直接効果のある薬は今のところ無いので、点滴による脱水の補正や抗生物質投与による細菌の二次感染に対する対症療法となります。治療に対する反応がよければ便の中のウイルスが陰性になるころ、早ければ1週間くらいで退院できますが、長ければ入院治療が1ヶ月くらいになったり、あるいは予後が厳しい場合もあります。ワンちゃんの状況について担当の獣医師から十分に説明を受けるようになさってください。

 ご家庭ではワンちゃんが入院している間に住環境の消毒(30倍程度にうすめた塩素、食器などは煮沸消毒でも可)および、他のワンちゃんでワクチンの時期がきている子は早めに接種しておきましょう。退院後も念のため1ヶ月くらいは接触させないほうがよいでしょう。

以上がポイントになりますが、敵を知ってしっかりとワンちゃんをこわい病気から守ってあげましょう。

2007.6.1 梅雨の時期くらしのポイント(獣医師:M・O)

さわやかな5月の陽気のあとは梅雨がやってきます。この時期は気温と湿度が不安定になりワンちゃんが苦手とする時期になります。梅雨の湿度と初夏の日差しに対する対策、食中毒、皮膚病、熱射病などの病気が置き易くなります。食生活や手入れに気を配ってあげましょう。

健康
湿気の多く、しかも気温の高い日が続くと、食餌も痛み易くなります。下痢や嘔吐などの消化器症状が出たら早めの受診をこころがけましょう。食餌に細菌が繁殖しやすく、大腸菌やサルモネラ菌による食中毒が起こりやすい時期です。冷蔵庫に保存していても、長くおけば食餌は腐敗してしまいます。毎日新鮮な食餌をあげて、つくりおきなどはしないようにしましょう。食餌を出したら、30分くらいで食べ残しがあってもさげてしまいましょう。また、お散歩のときの拾い食いも要注意です。消化器症状が悪化すると血便が出たり、経過が悪いと重症になることもあります。消化器症状が出た場合はまず絶食させることが必要です。特に吐いているときは絶食絶水が必要になります。脱水症状に気をつけ、出来るだけ早い受診が必要です。吐物や下痢便などは動物病院へ持参しましょう。治癒してからも消化管粘膜の損傷がありますので、しばらくはやわらかい食餌を与えたり、内服を継続したりなどの措置が必要となります。

環境
ワンちゃんの寝場所を清潔に保ってあげましょう。じめじめしたところで寝起きしていると皮膚病にかかりやすくなります。ケージのこまめな掃除、床敷の取替えや洗濯を普段より頻繁に行ってあげてください。特に湿っていないかどうか気をつけてあげてください。梅雨の合間には日差しが強くなります。密閉された住宅などでは室温が高くなりすぎないかどうか注意してあげましょう。ワンちゃんの寝床は直射日光があたらない風通しのよい場所を選んであげましょう。

手入れ
ブラッシングをまめにおこない、抜け毛を早めにとりのぞきましょう。湿気がこもりやすく、皮膚病がおきやすい時期です。週に1度程度のシャンプーと、毎日のブラッシング、また状態に合わせた耳のお手入れなども必要になります。

運動
雨天でも小雨程度なら散歩も可能ですが、体が濡れてしまったらタオルとドライヤーで全身をよく乾かしてあげましょう。梅雨の合間は日差しが強くなりますの、運動や散歩は控えましょう。適度な運動に留意し、体調に無理のないように気をつけてあげましょう。

以上がこの時期のポイントとなりますが、体調をくずし易い時期ですので、ワンちゃんの様子をよく観察していただき、おかしいなと思ったら早めの受診をされることをおすすめいたします。

2007.5.1 陰睾(獣医師:Y・A)

男の子のワンちゃんで睾丸がないとか片方しかないという話をきいたことはありますか?
今回は陰睾についてのお話です。

両方もしくは片方の睾丸が陰嚢に降りてきていな状態を、潜在精巣とか停留精巣とか陰睾などと言ったりします。
これは通常睾丸は成長とともに陰嚢に降りてくるのですが、先天的な異常で降りてこないために起こります。

陰睾の場合、降りてきてない睾丸はお腹の中か、股のつけねにあることが多いです。
通常、睾丸は袋に入って外界にでているため体温よりも多少温度は低めになっていますが、陰睾の場合はお腹の中などにあることで睾丸が温められてしまい、ホルモンのバランスがくずれて皮膚病をおこしたり、年齢を重ねたときに腫瘍化する確率が通常の15〜26倍と高くなります。
また、両方であっても片方であっても繁殖能力には問題がないことが多いですが、陰睾は遺伝的に伝わることも多いので繁殖にはお勧めできません。
生後1歳くらいまでは降りてくる可能性があるので、そのくらいまで様子をみてもらって降りてこないようであれば、病気のことも考えて去勢手術をお勧めします。

2007.5.1 フィラリアのおくすり(獣医師:M・O)

これからの季節、蚊によって媒介される寄生虫フィラリア症の対策が必要です。
月に1度飲ませるタイプのお薬が主体になりますが、いったいどんな薬なのでしょうか?

予防薬といって飲んでいただいているフィラリアのお薬は実は駆虫薬です。
フィラリアを幼虫の段階で駆除することがその目的になります。

ワンちゃんが蚊にさされてからフィアリアが成長しながら肺動脈と心臓にたどりつくまでには約3ヶ月かかります。それまでの幼虫の段階で駆除する「感染予防薬」ということになります。

フィラリアに感染しないためにはその中間宿主である蚊との接触をさけることが理想的ですが、これは室内犬といえども不可能なことです。そこで開発されたのが、イヌ糸状虫(フィラリア)の感染期間、すなわち蚊に指される可能性がある期間中飲ませ続け、ワンちゃんに感染した直後の幼虫の段階で駆除する方法です。

これらの薬はイベルメクチン、ミルベマイシン、モキシデクチンなど土壌中の細菌の一種がつくる物質でフィラリア以外の多くの寄生虫にも駆虫効果を示します。フィラリアに対しては、幼虫とミクロフィラリアに効果を示し、この作用はかなり確実で一月に1回きちんと飲ませていただければほぼ確実にフィラリア症は予防できます。

とはいえ、ワンちゃんは飲んだふりをして、こっそりと部屋の隅に吐き出していたり、飼主様のうっかり飲ませ忘れがあったり、暖冬の年では投薬終了後も蚊にさされたりする可能性もあるので、毎年シーズンの初めには血液検査をお受けになってからお薬を始めてあげてください。

万が一感染しているのに飲ませてしまうと、大量のミクロフィラリアが一度に死ぬためそれらが細い血管につまるなどして重大なショック症状を起こしてしまうことがあります。

予防が進んだ現在でも、屋外飼育のワンちゃんの死因の第一位はフィラリア症となっています。フィラリア予防は飼主様の義務ともいえるでしょう。しっかり予防してワンちゃんの健康をまもってあげましょう。

2007.5.1 ペットの脱毛(獣医師:M・O)

ん?ここはげてきている?かわいいワンちゃんにハゲが!?あせりますよね。
毛がぬける病気には多くの種類があり、その原因によって分類されていますが、飼主様が気付くのはかゆみや脱毛などの症状がきっかけです。

毛がぬける場合、かゆみがあるときと無い場合があります。かゆみがあって毛がぬける場合、かゆがっている動作により異常に気付くことが多いですが、かゆがるのでよくみてみたら毛がぬけていたということが多いです。

かゆみがない、かゆみがごく軽いという場合、最初に気付くのは脱毛箇所(はげ)になります。この場合、掻くという動作が無い分だけ発見もしにくいようです。

日頃からブラッシングなどの手入れをおこなうと異常に気付きやすく、対応も早くできます。特に長毛種では小さな脱毛に気付きにくいので注意深い日々の観察がポイントとなってきます。

脱毛の原因は毛がぬけている場所からある程度推測ができます。

ホルモン異常の場合、体の中心線を軸に左右対称の脱毛があり、かゆみが無いか少ない場合が多いです。これらの主なものとしては、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症があります。

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気で老犬に比較的多くみられます。元気がなく、寝ていることが多い、食べないわりには太ってくる、皮膚の冷感などの症状を伴うことが多いです。血液検査で甲状腺ホルモンの量を測定し、低値が確認されればホルモン剤による治療を行います。

副腎皮質機能亢進症は副腎皮質からホルモンが過剰に分泌される病気です。下腹部のふくらみ、多食、多飲、多尿などの症状がみられる場合もあります。

また、性ホルモンの異常による脱毛もあります。
卵胞ホルモンや精巣ホルモンの過剰や欠乏によって会陰部、下腹部の後方などの毛が抜けることが多いです。左右対称ではありませんが、限定された特徴的な脱毛部位により性ホルモン異常を疑います。

円形に脱毛する場合は皮膚糸状菌などの真菌の感染が疑われます。これだけではあまりかゆみはありませんが、皮膚症状が進行して、化膿などの二次感染が加わると痒みがでてきます。円形〜楕円形に毛が抜け、それがしだいにひろがっていきます。人にうつるものもありますので注意が必要です。

細菌性脱毛症は犬には非常に多い疾患で、毛包にブドウ球菌などの細菌が入り込み、毛包炎を起こすことにより毛が抜けます。脱毛以外に皮膚の発疹、発赤、色素沈着、落屑などの症状が現れます。

ノミ、マダニ、などの外部寄生虫の寄生による脱毛はほとんどが強いかゆみを伴います
しかし、ニキビダニによるアカラス症は元来かゆみがありません。多くの症例で痒みを伴うのは細菌の二次感染によるものです。

他には栄養状態に問題があるケースが考えられ、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群など、主にビタミンやミネラルの欠乏が原因で起こりますが、このような場合は基本的に痒みは伴いません。

ほかには心因性の脱毛があります。ストレスにより、手などの同じ場所をなめ続ける、しっぽをかむなどの行動により脱毛と皮膚の炎症が起こります。このような場合はしかってやめさせるのは逆効果になりますので、ペットがリラックスできるような環境づくり、また適度なお散歩や遊びでストレスを軽減してあげるよう努めてください。

以上のような要因が複合的に関連して症状に結びついている場合が多いので、皮膚病の治療は難しい場合が多いです。日々の手入れで早期発見が出来たらかかりつけの動物病院にご相談ください。

その際は、痒みの有無、いつからか、どこに初めに出来たか、食餌や生活環境の変化はなかったか、避妊去勢の有無、他の疾患での治療歴などについて詳しく伝えていただくと診断に役立ちます。

以上が皮膚脱毛の概略と対応策になります。
これからあたたかくなってくると皮膚の症状が出る子が多いですので、日々のブラッシング時に是非気をつけてみてあげてください。

2007.4.17 口蓋裂(獣医師:Y・A)

ワンちゃんやネコちゃんが出産し、生まれてきた赤ちゃんに最初に確認しなければならないことがあります。それは口蓋裂の有無をチェックすることです。今回はその口蓋裂についてのお話です。

口蓋裂は硬口蓋または口蓋全体が開裂し、鼻と口が開通してしまう病気です。
先天的なものと後天的なものとありますが、今回は先天的なものについてお話します。
先天的は原因には遺伝的なもの、環境的なものがあげられますが、環境的なものが大きくかかわり、催奇形性のあるステロイド、抗真菌薬、ビタミンA過剰、ビタミンB群欠乏などが主な原因となるようです。
また短頭種に多く、特に犬ではブルドッグに好発すると言われています。
先天的な場合はうまく母乳が飲めないことや誤飲して肺炎などになってしまうため通常は生まれて数日で死んでしまうことがほとんどですが、オーナーさんのカテーテルによる給餌などの手あつい看護により成長することもあります。
しかし、成長してからも自分では水や食物がうまく飲み込めず、鼻から排出されたり、誤嚥しクシャミや咳をしたり、二次的に鼻炎や肺炎を起こしたりすることはしばしばです。
二次的な鼻炎や肺炎はお薬で治りますが、この口蓋裂という病気は外科的に手術しないと治りません。
また一度の手術ではうまくいかず、何度か手術が必要になることが多いです。

生まれたばかりの赤ちゃんが鼻から母乳出していたり、呼吸が苦しそうだったり、全く体重が増えてこない時は口蓋裂の可能性があるので、オーナーさんが口の中をチェックしたり、動物病院に早めに連れて行って診察を受けましょう。

2007.4.17 あらためて考えるフィラリア予防(獣医師:M・O)

ワンちゃんを飼育されているご家庭では毎年フィラリアの予防をしていただいているかと思いますが、改めてフィラリアとその予防について考えてみましょう。

フィラリア症って何?:
フィアリア症とは、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫、犬心臓糸状虫)という寄生虫が、心臓の右心室、肺動脈それに後大静脈等の静脈系肺動脈や心臓に寄生して起こる病気です。
フィラリアは、蚊が媒介昆虫となって感染します。すでにフィラリアに感染している犬の血液中には、フィラリアの子虫のミクロフィラリアが沢山います。その血液を蚊が吸血するときにミクロフィラリアも一緒に吹込んでしまいます。感染子虫を持った蚊が次の犬を吸血するときに感染子虫は蚊の唾液とともに蚊から脱出して犬の体内へ侵入します。これで感染は成立です。予防が普及している今日でも東京地区の感染率が約3割というデーターがあります。

どんな症状がでるの?
感染してしばらくはほとんど無症状ですが、数年たつと静脈系の循環不全として色々な症状を示して来ます。元気・食欲がない、咳をする、痩せる、呼吸が苦しそうなどがあげられます。慢性の症状としてはこのようなものがありますが、急性の症状として、多数の虫体が一度に後大静脈に詰まってしまうことによって発症する別名後大静脈塞栓症といわれる危険な状態があります。後大静脈に虫がぎっしり詰まってますから血液が流れることが出来なくなってしまいます。

どうやって予防するの?
蚊のいる時期(厳密には蚊が出始めてから1ヵ月後〜蚊がいなくなってから1ヶ月後)に月に一度、体重にあった量の薬を投薬します。薬は錠剤やチュアブルタイプのジャーキ状になったものがあります。他にはスポットオンタイプのものや注射薬のものもあります。

治療:
太い血管にフィラリア虫体が詰まる危険のある急性の状態では、手術で虫体を取り出します。

フィアリアの成虫をたたく注射がありますが、入院観察をしながら慎重に治療します。

以上のような積極的な成虫駆除の治療に耐えられない状態の場合は、フィラリアの幼虫のみをたたいて、フィラリアの成虫の寿命(3〜5年)がくるのを待ちます。

運よく、フィラリアを駆除できても、心機能の低下は残ってしまいますので、それに対する対応は生涯必要になります。

まとめ:
以上が簡単な概略ですが、予防を全くしないとひと夏で30%、3年で100%感染というデータもあります
フィラリア症に感染してしまうと長期にわたり犬は苦しみ、飼主さんの苦労と出費は続きます。こうならない為にフィラリアの予防をする必要があるのです。

2007.4.17 春のくらしのポイント(獣医師:M・O)

あたたかなワンちゃんにとってワクワクする季節がやってきましたね。この時期を快適にポイントを抑えて過ごしていただくことがワンちゃんとの健康な暮らしにとって大切になります。

食餌:
寒さによって消費されるカロリーが減りますので、冬場よりも必要カロリーが少なくなります。冬場と同じ量を給餌していると、太ってしまう原因になりますので、給餌量の調整をしてください。肥満は関節疾患はもとより、代謝疾患、循環器疾患にも結びついてしまうこともありますので、犬の様子をみながら、食餌の調整をしてあげましょう。一般的には冬場より1〜2割の減量で適当な量になるようです。

運動:
快適な気候のもとで日光浴、体力づくりに最適な時期です。積極的に外へ連れ出してあげましょう。

予防:
狂犬病の予防接種は集団接種だけでなく、動物病院でも行っています。たくさんのワンちゃんがいると興奮してしまうような子は動物病院でうけさせてあげましょう。
また、内部、外部寄生虫の活動時期になりますので、フィラリア予防、ノミダニ予防、消化管内寄生虫の定期的な駆虫を始めましょう!

犬の代表的な寄生虫病にフィラリア症があります。これは感染した犬の血液を吸った蚊により媒介されます。フィラリア症の子虫が犬の体内で成虫になると、肺動脈や心臓に寄生し、心不全をおこさせたり、肝臓や腎臓にダメージを与えてしまいます。薬を注射したり、手術をして成虫を駆除しますが、完全に駆虫するまでには時間がかかりますし、感染の程度によっては生命にかかわることもあります。フィラリア症の予防薬は内服薬、塗布薬、注射薬などありますが、月に1度のませるタイプの内服薬が一般的です。しかしながら、すでに感染している場合に予防薬を飲ませると、強いアレルギー症状が起きる場合がありますので、予防開始前には血液検査を行い、感染の有無をチェックします。
今までの統計では蚊の活動開始は平均して5月が最も多いですが、今年は暖冬ということもあり、早めの対応がおすすめです。蚊が発生してから1ヶ月が予防開始の目安で、蚊が収束してから1ヵ月後まで予防薬を投与します。田んぼや池など水のあるところは蚊の発生も多くなりますので、注意が必要です。

ノミやダニは散歩にいくと付着してしまいますので、予防対策が必要です。月に1度程度皮膚に塗付するタイプのものが手軽で効果も確実です。犬舎の掃除、敷物などの日光消毒もこまめに行ってあげましょう。

お手入れ:
換毛期です。ブラッシングで死毛をとってあげましょう。血行もよくなります。また、シャンプー、耳掃除、肛門腺しぼりなども定期的におこなってあげましょう。

以上のように、お手入れや予防をきちんと行うことが、ワンちゃんとの楽しい生活のポイントになりますね。

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