ワンちゃんの耳は人間とは違って外耳道内に繊細な耳毛が生えていたり、耳翼が垂れていて蒸れ易かったりなど外耳炎になり易い条件が多いです。外耳炎の直接の原因は脂腺や耳道腺からの分泌物や脂肪、また外耳道の皮膚の垢、さらには外界から入ってくる汚れや異物などによって耳垢がたまり、更にはそれらが変質して、外耳道の皮膚が刺激されたり、上記のような原因から湿気を好む細菌や真菌の感染が起こることです。湿った環境の耳道内には黄色ブドウ球菌などの細菌や、酵母などの真菌が増え易く(これらは正常でもある程度は存在するのですが)外耳炎の原因になります。他に、外部寄生虫である耳疥癬(耳ダニ)などが外耳道を刺激して外耳炎になることもあります。この場合はとても強い痒みがでるのが特徴です。ひんぱんに頭をふったり、後肢で耳のつけねあたりをかいたりなどの症状がみられます。またアトピーなどのアレルギー性皮膚炎のある子は耳の症状が伴っていることも多いです。
これらの症状がみられたら、早めに動物病院を受診し、耳道の観察、耳垢の検査をしてもらいましょう。感染しているものにより外用薬を用いたり、炎症がひどい場合は抗生物質などの内服が必要になる場合もあります。
外耳炎から耳血腫といって耳翼に血液様の液体がたまる状態になってしまうこともあり、これは手術などの処置が必要となります。
また、外耳炎が進行して中耳〜内耳へ症状が進むと、平衡感覚を司る三半器官や前庭が障害され、斜頚や歩行困難などになる場合もあります。
また、著しく炎症がひどく、耳道がふさがってしまっているような場合は外耳道切除という手術が適応になることもあります。
外耳炎はこのように進行すると入院や手術が必要となってしまう場合もありますので、症状の軽いうちにきちんと対応をしておくことがポイントです。
家でのケアはやり方によっては逆に外耳炎を悪化させてしまう場合もありますので、耳道内への刺激を極力少なくしていただくことが重要です。点耳薬を処方されたら使用頻度、使用方法などについてかかりつけ医によく確認してください。
いったん治癒したかのようにみえても、体調や気候によって再発したり、またミミダニの場合は卵がかえったりなどしてなかなか完治しにくい場合もあります。 数回の通院が必要になるケースが多いですが、きれいになったように見えても治療終了のOKがでるまではしっかり治療してあげましょう。
その後は日々のケアや生活環境の整備、アレルギー性の外耳炎などでは食餌なども影響してくることがありますので飼育指導をしっかりうけて再発を防ぐようにしてください。
| 2007.3.30 |
股関節形成不全(獣医師:M・O) |
一度は耳にされたことがあるかもしれませんが、股関節形成不全という病気があります。股関節が変形してしまう病気のことですが、大型犬や体重が急激に増えた犬がなり易い骨の異常です。遺伝や肥満などによって。股関節が変形してしまうと、足の動き方が悪くなったり、痛みのために歩いたり立ったりするのが難しくなります。
正常な股関節は、骨盤にある臼状のへこんだ部分(寛骨臼:かんこつきゅう)に、大腿骨の先にある骨頭という丸い部分がはまって、自由に肢が動くように出来ています。ところが股関節形成不全では寛骨臼や骨頭のかたちがゆがんでしまい、関節のはまりかたが浅くなります。そのため、寛骨臼から骨頭がはずれてしまう脱臼や、はずれてしまいそうな状態である亜脱臼がおこりやすくなります。
原因は明確ではありませんが、7割が遺伝、3割が環境的な要素であるといわれています。遺伝では犬種によりますが、大型犬ではセントバーナード、ニューファンドランド、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーが圧倒的に発生率が高いです。中、小型犬ではウェルシュコーギーペンブローク、柴犬、シーズーなどがあります。環境的な要素には成長期に標準以上に体重が増加したり、筋肉の量が骨の成長に伴って増えていかないといったことがあげられます。太っていたり、筋肉の量が少ないと、関節によけいな負担がかかり、骨をさらに変形させてしまいます。
股関節形成不全は発育と関係するため、多くは生後5〜10ヶ月ほどで症状が出ます。初期には歩き方や走り方に異常が現れます。腰を振るように歩いたり、内股で不安定に歩いたりするほか、歩きや走り、階段ののぼりおりなどをいやがるようになります。
症状が進行すると、走っているときはなんでもないのに運動後に肢をひきずる、歩幅が狭くなるなどの症状も出ます。また犬が痛みを感じているときは立ち上がったときにキャンと鳴いたり、立ってもすぐに座ってしまいます。後ろ肢に負担がかからないように前足に体重をかけているため後ろ足の筋肉がなえてきます。
このような状態が見られたら、病院ではまず身体検査で関節の機能を全体的に調べます。また、レントゲン撮影で病態を把握します。症状が軽い場合には運動制限やダイエットで軽減する場合もありますが、痛みがある場合には鎮痛剤や消炎剤の全身投与が必要になる場合もあります。
これらの対応で改善がみられない場合は手術をします。手術はいくつか方法がありますが、「大腿骨頭切除術」という方法が一般的です。これは文字通り大腿骨頭をとりのぞいてしまうという手術になります。骨頭がなくなっても周囲の筋肉がカバーし、痛みのある部分がなくなるので、術後1ヶ月程度であるくことができるようになります。
治療後のケアは、激しい運動をさせないこと、肥満の予防です。標準体重よりやや軽めくらいでコントロールしておきます。飼主様の食餌管理がポイントになってきます。
| 2007.3.30 |
チャレンジ飲み薬(獣医師:M・O) |
おくすりを飲ませるのが難しいとおっしゃる飼主様が結構いらっしゃいますが、おうちで薬をきちんと飲ませていただければ、注射をしなくてもすむ場合も多いですし、何より費用の面でも内服薬は経済的です。
また、難しいからといって、途中で投薬をやめてしまったりすると治癒過程にある状態からまたぶり返してしまったり、慢性疾患で継続的な投薬が必要な場合はコントロールが悪くなり、再検査や薬の増量が必要になってしまう場合もあります。
では飲み薬をのませるのが難しい子はどうしたらよいでしょうか?
基本は粉薬やシロップよりも錠剤のほうが確実です。幼犬や幼猫では体重も少ないですから投与量を調整するのにシロップは便利ですしそんなにいやがらないことが多いのでお使いいただいてもよいと思いますが、粉やシロップはどうしてもペットが薬をあじわってしまうことになるので、いやがって泡をふいたり、またきちんと決められた量をとることが難しい場合が多いのです。
錠剤はワンちゃんであれば好物のフードなどでくるみ「おくすりだんご」にして食餌の一番初めにそれだけまず食べさせ、その後通常の食餌をあげていただくのが一番簡単です。
おくすりだんごでは食べてくれないワンちゃんには直接口をあけてのませますが、その際、右ききの方であれば、左手でほおぼねを左右保持し右手で口をあけさせつつ舌の根元の部分に錠剤を置き、そのあとすぐに口を閉じてのどをさすったり、ふっと息をふきかけたりすると、うまく飲み込んでくれることが多いです。その際のポイントはなるべく舌の奥のねもとの部分に薬を置くということです。その辺りは味を感じる細胞がほとんどないことと、口を閉じればもう物理的にも飲み込むしかない位置にありますのでペットのストレスも少なくうまくいきます。中途半端に舌の真ん中あたりや先端のほうに乗せてしまうと、うまいこと押し出してしまいますし、その際に薬を味わってしまうことになりますので、ヨダレや泡を出したりなどして、非常に煩雑になり次からも投薬を拒絶する原因となってしまいます。舌のねもとに置くときに気管に入ってしまうのではないかとご心配される方がいらっしゃいますが、気管はフタの構造が入り口にありますので、よほど興奮していない限りそれが開いているときにたまたまはいってしまうということはまずありませんのでご安心ください。
投薬に対して、咬んだり怒ったりするペットでは手で口のなかにいれると飼主様も怪我をしてしまいます。そんな場合はインプッターという錠剤をはさみこんで投薬する器具がありますので、それを用いるとよいでしょう。動物病院で手にはいりますので、ご相談ください。インプッターを用いる場合も錠剤をおく場所は前述と同じです。
暴れてしまう子は、2人一組で行い、1人がバスタオルなどでペットの体をやさしくくるみこみおさえて行うとやりやすいです。
またワンちゃんは鼻がいいので、においで投薬前からいやがる子がいますが、その場合は市販の空のカプセルにつめたり、オブラートでくるんで与えたりすると薬のにおいも隠せますし、つるっと飲み込めますので便利です。
いずれの場合もポイントは舌のねもとに置くということと、あっさりすばやく行い、のませたらしばらく口をあけさせずにのどをさすってのみこませるということです。
飼主様が必要以上に力んでしまったり、緊張されるとその雰囲気がペットにも伝わり警戒されてしまいます。慣れるまでは少々大変かと思いますが、以上のような点をご参考になさってみてください。
| 2007.3.30 |
ケンネルコフ(獣医師:Y・A) |
新しく仔犬をお家に迎えた時、元気いっぱいで食欲もあるのですが、時たま苦しそうに咳き込むことがあります。
オーナーさんは心配になってインターネットなどで調べられて、ケンネルコフでは?という問い合わせをうけることもしばしばです。
今回はそんなケンネルコフについてのお話です。
ケンネルコフは犬パラインフルエンザや、犬アデノウイルスII型、ボルデテラなどの細菌によって引き起こされる上部気道炎のことです。
単独で感染した場合、症状はそれほど重くないですが、これらのウイルスや細菌に一つ以上感染した時には咳はなかなかおさまりません。
犬パラインフルエンザ、犬アデノウイルスII型であれば混合のワクチンに入っていますので、きちんと接種していれば、そこまで症状は酷くはならないようです。
治療にはウイルスに効くインターフェロンや、細菌に効く抗生物質、咳を抑える鎮咳剤、痰を取り除く去痰剤などが用いられます。
熱がでていたり、食欲が落ちてしまっているようなら点滴したり、入院などが必要となることもあります。
また、あまりにも咳が酷いときには薬剤を吸入し、直接肺や気管に作用するネブライザーなどを使用することもあります。
治療には1〜2週間かかるといわれていますが、仔犬の場合は免疫も低いので全く咳をしなくなるまで1ヶ月かかってしまうこともよくあります。
重症でなければお薬を飲んで、家で安静にしていればだんだんと咳の回数は減ってきます。
オーナーさんが投薬以外にお家でできるのはほこりなどがたたないようにきれいな空気を保つこと、空気が乾燥しないようにすることなどです。
あとは食餌をよく食べさせ、体力が落ちないように気をつけましょう。
| 2007.2.15 |
消化管のはたらきとその病気について(獣医師:M・O) |
ワンちゃんでは食欲不振・嘔吐・下痢などの症状はよく見られますが、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか?
消化管のはたらき
食道・胃・小腸・大腸・直腸と続く消化管には食物を運ぶ「運動機能」と、食物を消化し栄養素を体内へ取り込む「吸収機能」があり、それぞれの機能がうまくバランスして、蛋白質、脂肪、糖などの栄養素および水分を吸収しています。そして不要なものを便としてちょうど良い硬さで排泄します。
胃は食べ物をためておく機能および食べ物を消化液と混ぜ合わせ、さらにこれを小腸へと送り出す機能をもちます。胃壁には胃酸を分泌する細胞があり、胃の中のpHを低くし、強い酸性に保っています。外界から取り入れた食物中には雑菌が含まれていますので、これらは胃酸によって殺菌されます。また胃酸は蛋白質を消化するペプシンという酵素の働きを助けます。
小腸は十二指腸、回腸、空腸からなり胃に引き続いて食物を消化し、さらに栄養素を吸収する機能を持っています。特に十二指腸の部分では肝臓やすい臓からの消化酵素が分泌され消化吸収に大きな役割を果たしています。
大腸は結腸と直腸からなり小腸で吸収されなかった水分と電解質の吸収がおこなわれます。
嘔吐
消化器症状の重要なものの1つとして嘔吐がありますが、吐く状態を観察すると消化管のどの部分が悪いのかある程度推測できます。食べるとすぐに吐いてしまう場合は、食道疾患、胃炎、胃内異物などが疑われます。食餌と関係なく嘔吐がみられる場合は、消化管の閉塞、全身性の疾患、中毒、または癌などが疑われます。
嘔吐は延髄(脳の下の部分)にある嘔吐中枢が興奮することにより起こりますが、この嘔吐中枢は、恐怖などの感情、小脳などからの異常な興奮刺激、消化管におこった炎症などの刺激、薬物や中毒物質などの刺激によって興奮し、横隔膜などの筋肉を収縮させて嘔吐を起こします。
消化器疾患
消化器疾患を部位別に大別すると、胃炎・胃潰瘍、小腸炎、大腸炎にわけられます。
胃炎や胃潰瘍は腐った食べ物や異物、有害な科学物質を食べて胃粘膜を傷つけたことが原因となる場合が多く、急性あるいは慢性に経過します。細菌やウイルス感染が原因で起こることもあります。症状が進むと胃粘膜にびらんや潰瘍が起こります。胃炎や胃潰瘍になると食欲が減退し、元気がなくなります。嘔吐や下痢などが起きますが、粘膜よりの出血が吐物や便中に混ざることもあります。人と同様に犬でも精神的なストレスによっても胃炎や潰瘍が起こることがあります。
小腸炎は食べ物を原因とする消化性の下痢が多いですが、まれに食餌性アレルギーによる下痢も見られます。そのほか、ウイルス性、細菌性、寄生虫性の腸炎があります。パルボウイルス性腸炎は重篤な状態になることもある疾患ですがワクチン接種で予防することができます。
大腸炎は便中に粘液や血液が混じますが、特に下部で出血がある場合は便中に新鮮な血液が混ざるのが特徴です。
犬の食欲、便の状態、嘔吐などの消化器に関する症状を日頃からきめ細かく観察していただくと異常を早く発見することができます。特に嘔吐、下痢が続いてしまうようなときは脱水などで急速に状態が悪くなる場合もありますので、早めに獣医師の診察をうけることがポイントです。清潔で良質な食餌を与え、また消化器疾患の原因となるような毒物や異物をワンちゃんが間違えて食べてしまわないように気をつけてあげてください。特に仔犬では何でも咬んで異物など飲み込んでしまい問題となることも多いですのでくれぐれも気をつけてあげてください。
| 2007.2.15 |
うちのコ太ってる?(獣医師:M・O) |
よく飼主様から相談を受けることに犬や猫の太りすぎがあります。
近年ではおやつや高カロリーのものを食べすぎて犬や猫も太っている子が増えているようです。太っていると糖尿病や肝臓病のリスクが高まりますし、関節への負担、心臓への負担も心配です。
太っているかどうかの判断基準ですが、体型を判断する基準としてはボディコンディションスコアというものが使われています。1〜5までの5段階で、3が理想体型、1が痩せすぎ、5が太りすぎです。
犬種などによっても若干の違いがありますがだいたいの判断基準は下記のようになります。
ボディコンデションスコア
| スコア1 |
痩削。理想体重の85%以下で体脂肪率は5%以下。肋骨が脂肪に覆われず容易に触知可。腰部は皮下脂肪が無く、骨格構造が浮き出ている。ゴツゴツと骨が浮き出ているような感じです。 |
| スコア2 |
体重不足。理想体重の86〜94%で体脂肪率は6〜14%。肋骨はごく薄い脂肪に覆われ、容易に触知できる。腰部の皮下脂肪はわずかで、骨格構造が浮き出ている。 |
| スコア3 |
理想体重の95〜106%で最も理想とされる体型です。体脂肪率は15〜24%で、肋骨はわずかに脂肪に覆われ、触知できる程度です。腰部はなだらかな輪郭またはやや厚みのある外見で、薄い皮下脂肪の下に骨格構造が触知できる。適度なウエストのクビレがある。 |
| スコア4 |
体重過剰。理想体重の107〜122%で体脂肪率は25〜34%。肋骨は中程度の脂肪に覆われ触知が困難。腰部はなだらかな輪郭またはやや厚みのある外見で骨格構造はかろうじて触知できる。ウエストのくびれはほとんどあるいは全く無い状態。 |
| スコア5 |
肥満。理想体重の123%以上で体脂肪率は35%以上。肋骨は厚い脂肪に覆われ、触知が非常に困難。腰部は厚みのある概観で骨格構造は触知困難。ウエストのくびれは無く背面に脂肪がついて背骨の箇所がくぼむ場合もある。 |
さあ、どこに当てはまりましたか?
1ならば食餌量と質の見直し、疾患の精査などが必要でしょう。2では食事量を見直して経過をみていいでしょう。4では食事量と運動量の見直し、5では食餌の量と質の変更、疾患の精査などがおすすめです。
食生活、生活習慣がもたらす病気はワンちゃんネコちゃんでも多くなってきています。
ころんと太っているとかわいいものですが、病気のことを考えると心配ですね。
ポイントとしては1、決められた食餌量を守る、2、おやつはむやみに与えない、3、適度な運動を行う、4、体重を定期的に記録する、5、かかりつけの獣医師と相談しながら行う、という点になります。適切な体重管理で快適に過ごしましょう。
犬を飼い始めたオーナーさんがはじめてしゃっくりしているところを目撃されてビックリされる方がいます。犬ももちろん人と同じようにしゃっくりをします。
今回はこのしゃっくりのお話です。
しゃっくりは横隔膜の痙攣によって起こる生理的なもので、病的なものではありません。
犬ではフードを食べた後や、水を飲んだ後におこることが多いようです。
特に子犬はフードや水を飲み込む時に一緒に空気を飲み込んでしまうことが多く、横隔膜を刺激していまいしゃっくりの出る子が多いようですが、成長につれて症状がなくなる場合がほとんどです。
病的なものではないので特に治療は必要ないですが、あまり長く続いているようであれば、仰向けにしてみたり、胃の上の方(みぞおちあたり)をそうっとてのひらでぐっと数回押し上げていただくととまることもあります。
また、指に水をつけてなめさせると止まる場合もあります。
このようにしゃっくりであれば問題ありませんが、あまり頻繁におこしたり、苦しそうにしたり、吐いたりなどの症状があるようであれば呼吸器疾患や消化器疾患の可能性もあるので一度動物病院で診察をうけてみてもよいかもしれませんね。
| 2007.2.15 |
うんちのニオイ(獣医師:Y・A) |
最近、仔犬のうんちのニオイがとてもきついのですが、何故ですか?というご相談をうけました。
うんちが臭いのは当たり前ですが、通常は仔犬のうんちはそれほど臭わず、鼻をかなり近づけないとわからなかったりもします。
今回はこのうんちのニオイについてのお話です。
食物
うんちのニオイはもちろん食物に依存します。
雑食の犬より、肉食の猫のほうがニオイはきついのは両方の動物と一緒に暮らしているオーナーさんはよくご存知だと思います。
腸内細菌
腸には食物の栄養分であるタンパク質や脂肪を分解して、身体にとって有害な物質を生成する細菌がたくさんいます。ウェルシュ菌や大腸菌などがほとんどで、これらの菌が作り出す腐敗産物にはアンモニア、インドール、スカトール、トリプタミン、メチルメルカプタン、硫化水素、アミン類などがあります。 糞便の悪臭は腸内細菌が作り出したこうした腐敗臭が主な原因となります。
こうした細菌が増加することで便のニオイが強くなってくるわけですが、こういった細菌は俗に善玉菌と言われるビフィズス菌などで増加を防ぐことができます。
腸の機能低下
腸の蠕動運動が低下している時、つまり便秘気味の時や、消化酵素があまり分泌されないような時にはやはりうんちのニオイは強くなります。
まとめ
やはりうんちのニオイは健康のバロメーターで、強くなっている時は消化器に問題がある場合が多いようです。
下痢や軟便でなくてもあまりに臭いうんちをするときは動物病院で診察を受けて、検便などをしてもらいましょう。
犬は常に細菌やウイルスの感染に脅かされています。細菌は抗生物質で殺すことができますが、ウイルス感染には現在のところ有効な治療薬はほとんどありません。あらかじめワクチンを接種し感染しても発症しないようにすることが有効な対策です。
犬は病原性の細菌やウイルス、毒素など常に外敵の侵入の危機にさらされています。これらの異物(抗原といいます)がいったん体の中に入ると動物はこの異物を排除しようとします。このような仕組みを免疫機構といい、動物がもともと備え持っているものです。この免疫機構には記憶というメカニズムがあります。一度感染するとそのときの抗原への対応情報がメモリー細胞と呼ばれる細胞に記憶されます。すると再度同じ抗原に感染した場合、メモリー細胞が働き、抗原を処理する機構がすばやく発動されることになり症状を軽く抑えたり発症を防ぐことが出来ます。
ワクチンはこのメモリー機構を利用したものです。つまりワクチンとして病原体を体内に接種することで抗原に対する免疫機構を獲得させるのです。ワクチンは生きたウイルスを弱毒化した生ワクチンとよばれるものと、ウイルスをホルマリンなどで殺した不活化ワクチンというものがあります。
仔犬は母乳や胎盤から抗体をもらい病原体から体を守っています。この時期はワクチンを接種しても母犬からの抗体の存在がワクチン接種により期待すべき免疫獲得効果を減弱してしまいます。よって、母犬からの移行抗体が減少する生後6〜8週齢に初回のワクチンを打つことになります。そしてその時期は個体差があるため、幼少期には複数回ワクチンを打ち病原体に対して無防備な時期が無いようにします。
ワクチンで予防できる犬の感染症は、狂犬病、ジステンパー、パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、伝染性咽頭気管炎、コロナウイルス感染症、パラインフルエンザ、レプトスピラ感染症がありますが、これらの伝染性疾患はワクチン接種によりほぼ完全に予防することが可能です。かかってしまったら重篤な状態になったり、ほぼ助かる見込みの無い怖い病気もありますので、健康診断も兼ねて、定期的にワクチン接種をすることをお勧めいたします。
接種後は一時的に元気が無い、顔が腫れるなどの副反応がでることがありますので一両日中はよく状態を観察してあげてください。
つぶらなワンちゃんの瞳かわいいですね。しかし眼はかわいいだけではなくて、視覚という動物の体の中でも最も繊細で鋭敏な働きを担っています。眼は粘膜が直接外界に露出しているため損傷や感染を受け易く、些細な障害でも軽視できないデリケートな器官です。今回は眼と眼に適用する目薬について考えてみましょう。
目の構造は極めて複雑ですが、カメラをお考えいただくとわかり易いです。水晶体はカメラのレンズ、黒目をおおう角膜はレンズを保護するフィルター、瞳が大きくなったり小さくなったりを調節している動く部分を虹彩といいますが、これはカメラの絞りの働きに大変似ていますし、虹彩から続く毛様体という組織はレンズである水晶体の厚みを調節しピントを合わせる役目をしています。また毛様体は房水という眼に栄養を与える液体をつくりだしています。そして網膜は眼球の内壁を覆う部分でカメラのフィルムのような役割です。黒目の表面を覆う膜を角膜、白目の表面を覆う膜を強膜といい、結膜とはまぶたの裏側と眼球の外側を覆う粘膜を指します。ちなみにこの結膜は袋状につながっているので、例えばコンタクトレンズが眼の裏側にいってしまうということはありません。そして涙器が
眼の病気はその発生部位から大きく4種類に分けられます。まず、(1)まぶた(眼瞼)の疾患ですが、細菌感染による炎症が多いですが、良性、悪性の腫瘍がこの部分に出来たり、また構造的な問題として眼瞼の内反(内側に反る状態)や外反(外側に反る状態)などがあります。(2)結膜の疾患で代表的なものが結膜炎ですが、これは細菌やウイルスなどの感染もしくはアレルギーや物理的な刺激でも起きることがあります。(3)角膜の疾患としては角膜炎、角膜損傷、涙の分泌不足から起きる乾性角結膜炎などがあります。他に(4)涙器の疾患として流涙症(涙が顔面へ異常にこぼれる状態)や、涙嚢炎(鼻涙管のつまりなどにより涙嚢に炎症が起きる)場合もあります。
目薬の種類はいろいろありますが代表的なものは(1)抗生物質があります。多くの眼科疾患では感染が起きていますので、どのような種類の細菌に感染しているかを想定し、これにあった抗生物質を使います。効きが悪い場合は細菌の培養感受性試験をし、細菌の種類と効果のある抗生物質を調べます。(2)ステロイド剤は炎症を抑える強い作用がありますが細菌感染を悪化させたり、角膜に傷があるとその治りが遅くなったり、耐性やリバウンドの副作用があるので使用には注意が必要です。(3)非ステロイド系消炎剤は炎症にかかわるプロスタグランヂン類という物質が作られるのを阻止します。(4)抗ヒスタミン剤は炎症部位の肥満細胞から有利されるヒスタミンの作用を阻止する薬剤です。痒みや発赤を軽減します。(5)他には白内症の進行を予防する目薬や角膜障害治療剤、緑内障の改善薬、また処置や検査の目的で点眼麻酔薬や散瞳薬などが用いられることもあります。これらの目薬は使用法も簡単ですが、涙ですぐにうすめられたり、鼻涙管を通って排泄されてしまうので、眼との接触時間が短く、一日に何度もささなくてはならないという欠点があります。その点眼軟膏では眼との接触時間が長いという長所があります。目薬はデリケートな粘膜に直接適用されるので、刺激性が少ないこと、細菌や異物の混入がないこと、薬剤が安定であること、などの点において厳格に作られています。液体の成分は開封され外気に触れると酸化や分解が起こったり、また細菌による汚染も心配されます。開封後は清潔に取り扱い、定められた保管方法や有効期限を守るなどの注意が必要です。
特に眼の疾患はこじらせてしまうと大変なことになりますので早めの対応をこころがけたいですね。
| 2007.2.1 |
アトピー性皮膚炎(獣医師:Y・A) |
冬場にはジメジメとした夏場と違い皮膚病は少なくなる傾向にありますが、冬場も空気が乾燥するためにワンちゃんも皮膚が乾燥して体を痒がったり、フケがでたりします。
人と同じですね。
ワンちゃんにも人と同じような病気はたくさんありますが、今回は皮膚に関連したアトピー性皮膚炎のお話です。
アトピー性皮膚炎は外界のいろいろなもの(食餌、花粉、ダニ、カビ、ハウスダストなど)に自身の免疫が反応しておこるアレルギーの病気です。
シーズー、柴犬、ゴールデンレトリーバー、ビーグル、ラブラドールレトリーバー、マルチーズ、ミニチュアシュナウツアー、ダルメシアンなどの犬種で好発します。
一般には遺伝的原因が多いといわれており、生まれ持ったものが大きく関わってくるので、やはり完治するのはむずかしいようです。
ただ症状をおさえたり、限りなく完治に近づくことはできますので、いくつかその方法をお教えしたいと思います。
<<治療法>>
ステロイド剤による治療
昔からあるもっともよく使われる治療法です。
ステロイド剤で過剰に反応している免疫能をおさえて、症状を軽減します。
状態はかなりよくなりますが、高容量でずっと使っていると肝臓に障害をあたえたり、細菌や真菌、ニキビダニなどが感染しやすいなどの副作用がでます。
かゆみを抑える抗ヒスタミン剤などと併用するなどして低容量で使っていけば、そこまで危険はありません。
免疫抑制剤による治療
ここ数年でひろまった新しい治療です。
シクロスポリンという経口のお薬で過剰な免疫能を抑えて、症状を軽減します。
この治療法は個体差によって効く効かないがありますが、かなりの割合で症状は軽減するようです。
副作用としては嘔吐することが多く、ステロイド剤ほどではないですが感染しやすくなることがあげられます。
あとは薬自体の値段が高いので費用がかかるのが難点です。
インターフェロンによる治療
もっとも新しい治療方法です。
通常は体の中でつくれるインターフェロンという免疫に関わる物質を注射することによって、異常に働いている免疫を整えます。
この治療法も効果に個体差はありますが、かなりの改善は期待できます。
副作用もほとんど無いようです。
しかし最初は1日おきに病院にいって注射しなければならないこと、やはり値段が高いことが難点になってきます。
減感作療法
大学病院や皮膚疾患専門病院などで行われている治療法です。
この方法はアトピーの原因となる物質を注射することで、異常に働いている免疫を整えます。
この方法は可能性はなんともいえませんが、改善する場合はほぼ完治に近いそうです。
ただ、これも最初は1日おきに注射が必要ですし、場合によっては1年ほど続ける必要があります。
費用は上記の3つより高くなると思われます。
<<自宅でのケア>>
フード、サプリメント、薬浴
ご自宅でできる治療はこの3つになります。
まず、アレルギーの原因となる物質をふくまない、皮膚の免疫をあげる物質(ビタミン、ミネラル、脂質)などを多く含んだ食餌を与えること。
これは最低の条件だと思います。皮膚の免疫をあげる物質はサプリメントとして与えてもかまいません。
あとはアトピーの場合は皮膚が乾燥しやすかったり、逆に過剰に皮脂がでて細菌や真菌が感染しやすくなりますから、その状態にあった薬用のシャンプーでマメに洗うことも必要です。
また、普段の生活ではやはりアトピーの原因になる物質を近づけないことが重要です。
人と同じように血液検査でどの物質が原因になっているがわかりますので、一度検査してみて陽性になった物質には気をつけましょう。
ただし花粉やハウスダストなどが原因だった場合、完全には除去できないので、マメに掃除してみたり、空気清浄機を使ってみるのもいいでしょう。
検査できる項目も検査機関によってかわってくるので、かかりつけの病院で相談してみることをお勧めします。
まとめ
最初にも書きましたが、アトピーはなかなか完治しない病気です。どうやってうまくコントロールできるかが最も重要になってきます。
アトピーを発症してしまったら、なるべく良い状態を保つためにオーナーさまとワンちゃんとでがんばっていきましょう。

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